何十年後も残したい、松浦のよさ。
2017.01.10
高校を卒業後、
僕は生まれ育った地元松浦を離れ、
鳥取の大学へと進学しました。
大学生活3年目には大学を休学し、
たくさんの人に助けられながらですが
自分自身の知見を広げるために国内旅をはじめました。
日本各地で出会う人の中には、
オススメの場所を教えてくれる人や
お腹が減っているだろうとご飯をごちそうしてくれる人、
初対面にも関わらず家に泊めてくれる人達もいました。
移動手段はヒッチハイクなので
乗せてくれた人はもちろんですが、
見返りを求めず助けてくれた人達がいなかったら、
もしかすると旅を途中で諦めて
鳥取に帰っていたかもしれません。
たくさんの人に助けられながらも
いろんな地域を見てまわるなかで
「この町に住んでみたい」と思えるような
素敵な町との出会いも何度かありました。
自然豊かでご飯が美味しかったり、
町の雰囲気がゆったりとしていて
居心地がよかったりなど、
住みたいと思う町々の共通点はいくつかありますが、
どの町も特色を体感できるきっかけになったのは
「人の優しさ」でした。
ご当地ならではのものをごちそうしてくれた人や
オススメの場所を紹介してくれたり、
連れて行ってくれたりした人達がいたから
僕は地域の魅力に触れることができたので、
「人の優しさ」あってこそ地域の特色が、
特色として輝いたのだと思います。
そして、これらの経験や助けられながらの旅を通して、
人はひとりでは生きていけない。
人は人と関わり合いながら生きている。
そのことを強く実感した僕が
一番大切にしたい要素はやはり『人』であり、
人と人との距離が近く感じられる町は
とても魅力的で住みたくなります。
松浦に帰省するたび、
子供のころの見慣れた景色が
少しずつ変わっていっていることに
寂しさを覚えますが、
地元に帰ってくると不思議と落ち着くことに
変わりはありません。
それはたぶん、
たとえ景色が変わっても
そこで生活している人達は
ずっと変わらないからだと思います。
「育てるまでが楽しいから」と言って
ご近所さんが育てた野菜をおすそ分けしてくれることからも
人のよさがわかると思いますが、
散歩途中ですれ違えばお互いに挨拶を交わすのも、
ある程度人口が多い都市だと見られない光景だと思うし、
挨拶から会話が生まれることを考えると、
地元に住んでいる人達はお互いの距離が近いことがわかります。
また、ボーカルが松浦出身である
kazutomoのクリスマスライブに足を運んだ際には、
どの曲も途中から手拍子を忘れるほど聞き入っていましたが、
ふとあたりを見渡したときに他のお客さんたちの温かい表情が印象的でした。
ライブ会場に足を運ぶのも、グッズを購入するのも、
応援の仕方は人ぞれぞれであり、
夢に向かって頑張っている若者を
いろんな形で応援している人達がいることにほっこりしていました。
人と人との距離がより近く感じられる環境だからこそ、
親身に関わることができ、そんな環境であること、
人のよさが松浦の魅力だと思います。
もしも高校を卒業後もずっと松浦で生活していたら、
当たり前の日常に埋もれた地元の魅力に
気づくことができなかったかもしれません。
当たり前の日常から離れ、
他の町と比べる機会があったからこそ
松浦のよさに気づくことができました。
漁業が盛んで魚が美味しいことも
元寇にゆかりのある島があり、
歴史的に価値があることも松浦のいいところですが、
松浦の人のよさも重要な魅力のひとつです。
これから先、何十年後もたとえ松浦の景色は変わっても、
松浦の人のよさ、温かさを忘れないことで
松浦のいいところのひとつとして
ずっと残していけたらいいなと思います。
青大 体験入学生
宮崎一史