「家庭があっての仕事」。家族を大切にできる女性目線の職場づくり。
志佐
2016.08.2
紳士スラックスの国内シェアNo.1を誇る
エミネントスラックス 松浦ファクトリー。
雲ひとつない青空のように
スカッと気持ちいい笑顔が印象的な
鶴 佐代子(つる・さよこ)さんは、
ファクトリーで働く約200人の女性職人を
まとめあげるリーダーです。
もともとは近い親戚が
エミネントスラックスの内職をやっていたことが
入社のきっかけだったそう。
ただ、入社時はこしかけのつもりで
採用面接でも「ミシンができないので
アイロンか他の仕事に就けてください」と、
懇願したほど裁縫が苦手だったんだとか。
ミシンに糸を通すことすら
出来なかった鶴さんは、
まわりの先輩に一から教わって
少しずつ縫製技術を習得。
なんとか仕事をこなせるようになり、
現場の1グループのチーフを任されたころ。
事件が起きました。
当時、現金で支給されていたお給料1ヶ月分が、
自宅で盗まれたのです。
警察にも届けましたが犯人は見つからず、
お金も返ってこない。
鶴さんは泣く泣く諦め、
職場で笑い話にしていました。
すると数日後、
同じグループで働く仲間が現金を出し合って
鶴さんに手渡してくれたのです。
「何かの足しにして!」
鶴さんはこの出来事を一生忘れないと言います。
困った時に手を差し伸べてくれる仲間。
その仲間は、今も同じ工場で働いています。
「会社の仲間や家族に
助けられ、守られていた。
そのおかげで今も
楽しく仕事が出来ている。
うちの職人はほとんどが女性。
子育てと家事をしながら働くのは
まわりの支えがないと出来ない。
みんなでカバーしあって、
子どもの授業参観に参加したり
子どもが熱を出したら側にいてあげたりと
家族を大切にできる
仕事環境をつくりたい。」
仕事は、気持ちでするもの。
現場のみんなが気持ち良く働ける
環境や雰囲気をつくるために
言葉を交わして気持ちに寄り添い、
“上司”としてではなく“友だち”のように、
悩みをキャッチできる人でありたいという鶴さん。
ほぼ毎日、全員に、「おはよう」と挨拶をしてから
自分の持ち場に着くようにしています。
返事を聞いて「あれ?今日は元気ないな」と
お昼休みに声をかけることもあるんだとか。
鶴さんのハジける笑顔と明るい声には、
現場を引っ張り、後継者を育てていく覚悟が
強さとやさしさとともに滲み出ています。
テレビで取り上げられる機会が増えてきた
エミネントスラックス 松浦ファクトリー。
日本一のスラックスの品質を保ち、
ブランドの信頼を守り続ける女性職人の活躍に、
これからも目が離せません。
エミネントスラックス
長崎県松浦市志佐町浦免
(松浦ファクトリー)
☎0956-72-0326
駐車場:20台
URL:http://www.slacks-oem.com

鶴 佐代子さん
エミネントスラックス入社38年目。現場でスラックスをつくる女性職人約200人をまとめあげる。エミネントスラックスには小学生の時に工場見学へ行き、次々とミシンで縫製が進む様子を見て「魔法使いみたい!」と目を丸くした思い出があるそう。