学びも、失敗も、島と仲間と家族のために。前編
福島
2016.09.17
「やったからわかることがある。
手探りでも、手作りでも
やらない限り変わらない。」
そう話すのは、松浦市福島町で
まちづくりボランティア団体
“NEW WAVE”の代表を務める川浪 勇太 さん。
仲間が仕事や楽しいことを求めて
つぎつぎと島を離れていく中、
島を離れなくても、やりたい仕事も楽しいことも
「やればできる」ことを身を以て証明したい。
その一心で、家族で行ける“島フェス”を企画。
第1回目は協賛金集めからスタートしました。
それから2016年春までの間に5回、
地元に人を呼びたい、
仲間の笑顔が見たい、と懸命に走り回り
助成金を受けたり仲間を増やしたりしながら
イベント規模を徐々に拡大。
しかし、ここで壁に当たります。
「助成金があると、失敗しても赤字にならない。
それは、とてもありがたい反面、
人を沢山呼ぼう!と言う
必死さが生まれにくい。」
そう感じたこともあり、
島フェスを一旦おやすみすることに。
それから川浪さんは今、
近隣のまちづくりイベントで
企画運営チームの一員として動いています。
それもすべて、島のため。
外で様々な人と一緒に動いてみることで
自身の考え方ややり方の
反省点が見えてくるそう。
それをすべて、島に持ち帰り、
いつか福島をかつてのリゾート地のような
賑わいを取り戻したいと語ります。
Photo by Kamegai Hidehiro(FUSE)
Photo by Kamegai Hidehiro(FUSE)
「地元の人だけでも
外の人だけでもダメ。
双方が一緒になって、
お互いの経験やスキルを持ち寄って
まちの未来を考えていくことで、
まちは良くなっていくと思う。」
また、
心優しい島の先輩方は
お金儲けをすることに抵抗があるそうで
「お金儲けは悪いことじゃない。
島を守っていくために必要なもの。」とも。
長崎県の県花、松浦市の市花でもある
“椿”は島にたくさん自生しており
“椿油”は島の特産品。
それも、市外でも売れる商品へと
バージョンアップさせることで、
島の宝を守っていくための
一つの事業として成り立たせたいそうです。
川浪さんの島への思いと
自身を顧みないほどの行動力に
島の先輩方は“椿油”の生産・販売等を
今年10月から川浪さんに一任することに
決定されたそう。
パッケージも
福岡のデザイナーさんにお願いして
イメージを大胆リニューアル!
小さな子どもでも、女性でも、男性でも、
ご家族みんなに使ってもらえるよう、
どんなご家庭にも、どんな場所にも
すっと馴染むデザインに一新。
パッケージをリニューアルしたことで
知人や友人からの問い合わせが増え、
販路拡大の可能性を感じているところだとか。
ところでなぜ、
そこまで島のためにできるんですか?
川浪さんに尋ねると、こう返ってきました。
「仲間の笑顔が見たいから」。
後編に続きます。

川浪 勇太 さん
映像企画・制作、イベント企画・制作等を行うクリエイティブプロダクション“FUSE”主宰。福島のイベントボランティア団体“NEW WAVE”でも代表を務める。生まれも育ちも松浦市福島町。子どものため、家族のため、仲間のため、島の未来のために、時間も労力もおしまず動き続ける思いと行動力を持つ松浦市の貴重な人財の一人。