和菓子職人が守り戦った先に吹いた、⾵。

志佐

事件は2度起きた。

2020年11⽉。
松浦市で開催されたイベント
「元寇サミット」。

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【写真/松浦市教育委員会】

ゲストとして訪れた
アンゴルモア 元寇合戦記」著者
たかぎ七彦先⽣がTwitterで紹介すると
いいね!が7,000超え。

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2度⽬は、2021年3⽉。
令和2年度⻑崎県特産品新作展。

菓⼦・スイーツ部⾨で
21点の出展商品の中から
最優秀賞に次ぐ優秀賞を受賞。

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事件を起こしたのは
岩元製菓舗の「てつはう最中」。

松浦の⼩さな製菓店が
ネットニュースを賑わせ、
関東のテレビ番組や
地元新聞にも多数掲載。
お店には問合せの電話が
絶えなかったそう。

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御菓⼦司 岩元製菓舗は
創業78年(2021年現在)。
店主・岩元 啓晃さんは3代⽬。
お⺟さんと、奥さんの由美⼦さんと
お店を営んでいます。

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岩元さんが和菓⼦づくりを学んだのは
京都の⽼舗和菓⼦屋「仙太郎」。

「⾝⼟不⼆」の考えを柱に、
⽣産者が明確な国産材料を使い
保存料は使⽤せず、できるだけ低添加。
素材の美味しさを五感で感じられる
和菓⼦づくりを続けています。

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厳選した国産材料は、⾼価。
低添加は、賞味期限が短期間。

全て岩元さんが⼿づくりするため
少量しかつくれません。

コストや効率を考えれば
多様な選択肢がある今も、
お店に⾜を運んでくれるお客様との
“信頼関係”を守るために。

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和菓⼦の基本となる餡は
厳選した北海道⼤納⾔⼩⾖を使⽤。

仕込みに⼆⽇、その後半⽇、
つきっきりで直⽕炊き。
「⼤粒の⼩⾖の形や⾷感を感じて頂きたい 」
と、思いを込めて⼿作りしてるそうです。

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「てつはう最中」を
つくったきっかけは
松浦市役所からの相談でした。

「元寇サミット」の参加者へのお⼟産に
“てつはう”をイメージしたお菓⼦を
つくってほしいとの相談。

てつはうとは
●鉄⽚や陶器⽚を詰めた炸裂弾
●⽇本⼈がはじめて⾒た⽕薬武器

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【写真/松浦市教育委員会】

こういった特徴を、
お菓⼦にしようと考えた岩元さん。
鉄⽚や陶器⽚を詰めた
炸裂弾をイメージして、
⽩あんに芋、栗、⿅の⼦を
練り込みました。

⽕薬武器をイメージして、
駄菓⼦でよく⾒かける
パチパチふりかけを添えて。

丸い球型の最中を探し、
⼀所懸命に商品を開発。
「元寇サミット」で
お披露⽬すると、
200個が即完売したそうです。

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【写真/松浦市教育委員会】

「てつはう最中」が起こした
2度の事件。

それは、単なる幸運ではなく
岩元さんたちが戦い続けた先に
切り拓いた未来。

かつて、元寇で、
⽔軍松浦党が戦い続けた結果
神⾵が吹き、⽇本が守られたように。

⼈とのつながりを⼒に。

岩元製菓舗にも今、
追い⾵が吹いています。

※「元寇」とは?
・鎌倉時代、世界最⼤の元軍が⽇本を2度襲来した事件
・松浦市は元寇終焉のまち。元寇遺跡「鷹島神崎遺跡」は
⽇本で唯⼀国史跡に指定された海底遺跡

※「てつはう」とは?
・元軍が使⽤した⽕薬武器
・鉄⽚や陶器⽚を詰めた炸裂弾
・「鷹島神崎遺跡」で⽇本で唯⼀発掘された

岩元 啓晃さん

御菓子司 岩元製菓舗3代⽬。⻑崎県⽴松浦⾼等学校卒業後、京都の⽼舗和菓⼦屋「仙太郎」に⼊社。餡職⼈として素材選びから餡炊きのイロハを学ぶ。仙太郎の“⾝⼟不⼆”の教えを柱に、松浦で地域の旬の素材を活かした和菓⼦づくりをつづける。奥様の由美⼦さんは、大阪府出⾝で仙太郎の同期。

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