ふわっと、まあるく。コロナ禍中2年で主婦起業!
星鹿
2022.09.28
松浦市の西端エリアに位置する星鹿半島。
のどかな漁師町で生まれ育った美樹さんは
今秋、地元に焼き菓子とドリンクのスタンドカフェ
「MIKIDO SWEETS CO.松浦(愛称:ミキド)」をオープン。
もともとカフェ起業が夢ではなく
コロナ禍での生活がきっかけで
カフェ起業を志したという美樹さん。
家事や育児を大切に暮らしていました。
年長、小3、小6、中3の
4人の男の子を育てる美樹さんが
大切にしているのが、食事。
コロナ禍になってから
子どもとお菓子をつくる機会が増え、
お友だちにお裾分けする機会も増えたそうです。
すると、美樹さんがつくったお菓子を
「買いたい!」との声が続々と届いたそう!
「資格も持っていないし
このまま続けるのは…」と考え、
信頼するママ友の言葉に
背中を押されて決断!!
「2年後に開業したい!」と
まつうら商工会議所の門を叩きました。
まずは開業のイロハを学ぶため、
松浦市が中小企業支援の一環で行う
“松浦創業塾”に参加。
全5回、時間は18時〜20時30分まで。
子どもたちは夜ご飯を食べさせてから
ご主人の実家に預けていたそうです。
並行して、松浦市が開催する
ビジネスプランコンテストに参加し、
なんと!最優秀賞を受賞!!
(市報まつうらより)
他にも、開業資金の融資を受けに銀行へ通ったり
店舗設計、機械の打合せをしたり
メニューの開発、材料の仕入先の相談、
パッケージの準備、SNSでの広報…
そしてもちろん、日々の家事・育児も。
さて。ここでおさらいしたいのが
美樹さんは「4人の男の子のママ」。
実は、ご主人は「船乗り」。
ご主人が自宅にいるのは月10日ほどで
それ以外は美樹さんの“ワンオペ”。
美樹さんは、家事・育児の“ワンオペ”に加えて
開業の勉強・準備、
ビジネスプランコンテストの準備まで
1人でやり抜きました。
お店は、自宅の敷地内。
オープン日は、家事や育児との
バランスを図りながら
Instagramで随時発信。
メニューは、ドーナツほか
焼き菓子やドリンクなど20種ほど。
材料はできるだけ松浦産を使いたいと考えているそう。
今は、松浦産のお茶、ブルーベリー、あんこなどを
市内から仕入れています。
小さい店舗ながらも、
つながりを活かした多彩なメニューから
「お客様に喜んで欲しい」という
気持ちが伝わってきます。
コロナ禍のなか約2年という短い期間で
地域や子どもへの思いをぎゅうっと詰め込んだ
ビジネスをスタートさせた美樹さん。
その裏には、家事や育児で培われた
主婦ならではのやわらかい思考力や瞬発力が
活かされているのかもしれません。
また、この漁師町には
命懸けで働く夫を心身共に支えながら、
家事・育児・仕事に笑顔で向き合う
強く優しい女性の先輩方がいることを
ふと、思い出しました。
美樹さんの言葉や笑顔を思い出しながら
甘い焼き菓子を頬張っていると、
新しい、優しい、人の輪が
まあるく繋がる未来のイメージが
ふわっと膨らんでいきます。

美樹(みき)さん
「MIKIDO SWEETS CO.松浦(愛称:ミキド)」オーナー。4人の男の子のママ。19才で結婚した旦那さんは遠洋漁業の漁師。ミキドをオープンした星鹿町生まれ・育ち。幼少期から魚が好きで一番好きな食べ方は「刺し身」。次男(12才)は料理好き。小さいころから美樹さんの手づくり料理やお菓子を食べて育ち、舌が肥えているそう!